あなたは普段から和菓子専門店へ行ったり、和菓子を買って食べたりしますか?
実のところ私は、季節やイベントでしか食べません。
3月の桜餅、5月に柏餅、夏なら水ようかん、秋はお月見饅頭。
和菓子の種類は多数あり、季節ごとに変わっていきます。
七十二候という季節に合わせ、72種類もの数があるとかないとか。
見た目・材料・作り方など、その季節にしか出会えない種類の和菓子もあります。
今の季節しか食べられない種類もあるって事?
はい、そうです。毎年定番で出ている和菓子や、マイナーチェンジされている和菓子もあります。
この記事で和菓子の種類や3つの分類、月別おすすめ商品を紹介します。
手土産やお茶請け、話題の一つとして楽しんでもらえたら幸いです。
和菓子は種類が季節ごとに変化する!七十二候との関係
和菓子の種類は多数あり、季節ごとに変わっていきます。
様々な種類の和菓子が並んでいると、なんだかワクワクしませんか?
和菓子専門店やスーパーなどで、季節により販売している和菓子は変化していますよね。
実は、「その季節だけ作られる和菓子」と「季節を表現している和菓子」があります。
その季節だけ作られる和菓子とは
春なら桜餅、初夏に柏餅、栗が旬なら栗饅頭などの事です。
その季節にすっと店頭へあらわれ、過ぎるとそっといなくなる。
お祝い事、イベント、旬な食べ物を使用した「その季節だけ作られる和菓子」です。
季節を表現している和菓子とは
形や色合い、和菓子の響きなどで季節を表現しています。
お店ごとに見た目は変わりますが、生上菓子で秋を表す「名月」や「紅葉」。
夏なら「金魚」や「花火」「ひまわり」等があります。
職人技が光る逸品も多く、いくつかの和菓子専門店に行くとより楽しめます。
実はイベントだけでなく、月ごとや5日ごとに変わる商品もあります。
5日ごと!?
そうです、すべての和菓子ではありませんが、”七十二候”を基準にして作られている種類もあります。
味はもちろんの事、見た目もそれぞれ違っていて、とても素敵です。
見ているだけでもワクワクするので、ぜひ和菓子専門店へ行ってみてください。
冒頭で「和菓子は多数種類がある」と言ったのを覚えていますか?
実を言うと、和菓子は大きく3種類に分けられるらしいのです。
和菓子の種類は水分量で決まる!?特徴を紹介
和菓子は水分量で、大きく3種類に分けられています。
- 干し菓子:水分量が10%以下のもの
- 半生菓子:水分量が10~30%のもの
- 生菓子:水分量が30%以上のもの
水分量と言っても、ざっくりしすぎていて良くわかりませんよね。
でも、安心してください。製法や材料などで、より更に細かい種類へと分けられます。
干し菓子
水分量が【10%以下】である和菓子は、干し菓子へと分類されます。
【特長】水分量が少ない為、日持ちも長く、贈答用として利用しやすい。
- 焼き物:平鍋やオーブン等を使い、焼いた和菓子…煎餅、ボーロ
- 打ち物:粉に砂糖を加えて、型へ入れ固めた和菓子…落雁
- 揚げ物:揚げて作った和菓子…かりんとう
- 押し物:粉に砂糖や練りあん、羊羹など加えて押し固めた和菓子…むらさめ、塩がま
- 掛け物:材料に砂糖液をかけたり、砂糖液へ漬けたりした和菓子…砂糖漬け、おこし
- あめ物:砂糖や水あめを煮詰め、冷まして固めた和菓子…千歳飴、金平糖、有平糖
なんとなく、”祖母の家にいつもあるお菓子”なイメージです。
半生菓子
水分量が【10~30%】である和菓子は、半生菓子へと分類されます。
【特徴】やや長く日持ちするため、贈答用やおもてなしにも利用しやすい。
- おか物:熱は加えず材料を混ぜ合わせたり、整形したりする和菓子…最中
- 流し物:型に材料を流し入れて作る和菓子…羊羹
- あん物:砂糖や水あめにより、保存性を高めた和菓子…ぜんざい、石衣
- 掛け物:材料に砂糖液をかけたり、砂糖液へ漬けたりした和菓子…甘納豆
- 蒸し物:蒸して作る和菓子…栗きんとん
- 焼き物:平鍋やオーブンを使い、焼いた和菓子…桃山、草紙
- 練り物:餅粉や餡に他の材料を加えて練った和菓子…きびだんご、ぎゅうひ
毎日家にはない、おみやげで貰ったら嬉しい和菓子たちです。
生菓子
水分量が【30%以上】である和菓子は、半生菓子へと分類されます。
【特徴】日持ちは長くても2~3日です。その分見た目が綺麗なものも多い。
ちょっとした手土産や来客のおもてなしに向いている。
- 餅物:もち米や餅粉を使って作る和菓子…赤飯、おはぎ、大福
- 焼き物:平鍋やオーブンを使い、焼いた和菓子…今川焼き、カステラ、どら焼き、きんつば
- 揚げ物:揚げて作る和菓子…揚げ月餅、あんドーナツ
- 蒸し物:蒸して作る和菓子…わらび餅、ういろう、蒸し饅頭
- 掛け物:材料に砂糖液をかけたり、砂糖液へ漬けたりする和菓子…あんみつ
- あん物:砂糖や水あめにより保存性を高めた和菓子…ぜんざい
- 練り物:餅粉やあんにほかの材料を加えて練った和菓子…ぎゅうひ、煉り切り
- 流し物:型に材料を流し入れて作る和菓子…ところてん、羊羹
なじみがあるものから、専門店にあるものまで…ザ!和菓子。
同種類でも、お店により水分量が違うなど和菓子の分類は難しいです。
上記は参考程度として、話題の一つにしていただけたら幸いです。
和菓子の種類を月別一覧!おすすめ商品紹介
私がおすすめ和菓子を、月ごとの一覧にしてみました。
出来るだけその月にしか出ない種類を選んでいます。
数か月にまたがって販売している種類もありますが、ご容赦ください。
和菓子の種類:1月・花びら餅
新年を迎える1月の和菓子は「花びら餅」紹介します。
白や薄ピンクで彩られたお餅を薄くのばし、ふんわりとしたかわいらしいデザイン。
包まれている餡は、あんこでなく、味噌餡やごぼうなのだとか…。
ごぼうは平安時代、新年の「歯固め」として使用されていた押鮎に見立てられているそうです。
和菓子の種類:2月・鶯もち
立春に食べると縁起が良いと言われる、2月の和菓子は「鶯もち」です。
餡を求肥などで包み、楕円形にし、左右へ引っ張って作られている物が多数。
青大豆から作ったきな粉(うぐいす粉)をまぶすと、かわいらしいウグイスのよう。
最近ではヨモギを混ぜた生地で色付けしている商品もあるそうです。
和菓子の種類:3月・桜餅
お節句がある3月の和菓子と言えば「桜餅」ですよね。
ピンク色のかわいらしいお餅と、塩漬けした桜の葉が綺麗です。
実を言うと、桜餅は関東風・関西風の2種類あります。
関東風は長命寺と呼ばれ、小麦粉など焼いた生地で餡を包んでいます。
関西風は道明寺と呼ばれ、蒸したもち米を生地にして、中に餡が包まれています。
関東風と関西風はどちらも、塩漬けした桜の葉で包まれています。
和菓子の種類:4月・3色団子
花より団子と言う諺があるように、4月の和菓子は「3色団子」です。
ピンク、白、緑の小さなお団子が串に刺さっています。
団子の着色は、ピンクが桜、緑にヨモギを使用しているそうです。
上新粉に砂糖を加えた生地や、餡が包まれている物など、様々な種類有。
和菓子の種類:5月・柏餅
中身しか食べられない!5月の和菓子は「柏餅」です。
平たく丸い形上新粉の餅で餡を挟みこんでいます。
独特な香りがする、しっかりとした柏の葉に包まれていますよね。
柏の古葉は、新芽が出ないと枝から落ちないそうです。
古くから「跡継ぎが絶えず、子孫繁栄の植物」として愛されているそうです。
ちなみに、あなたはこの葉を食べようとしたことありますか?
和菓子の種類:6月・水無月
旧暦で6月を表す名前が付けられた、6月の和菓子は「水無月」です
発祥は京都と言われており、関西地方で有名な和菓子です。
緑や白の三角ういろうに小豆がのっており、とても涼しそうな見た目です。
京都では6月最後の日食べることにより、穢れをはらう文化があるそうです。
和菓子の種類:7月・若鮎
旬を迎える鮎になぞって、7月の和菓子は「若鮎」です。
鮎をかたどったカステラ生地に、目やヒレなどの焼印がされています。
中には求肥や餡が包まれており、食べ応えも十分あります。
冷たい麦茶、温かいお茶、コーヒーなどにもよく合います。
和菓子の種類:8月・水まんじゅう
暑さがピークを迎える、8月の和菓子は「水まんじゅう」です。
くず粉使用の生地が餡を包んでおり、見た目も涼しくきれいです。
器に盛って食べたり、かきのトッピングにしたりと食べ方は様々。
餡をカラフルな色やフルーツに変え、見た目、味が多様化しています。
和菓子の種類:9月・おはぎ
お彼岸に欠かせない、9月の和菓子は「おはぎ」です。
もち米とうるち米など混ぜたものを、あんこやきな粉で包みます。
おはぎは季節で名前が変わる、面白い和菓子だと知っていましたか?
春「牡丹餅(ぼたもち)」・夏「夜船」・秋「おはぎ」・冬「北窓」と呼ばれています。
牡丹餅・おはぎ論争を良く見かけますが、どちらも同じものでしたね。
和菓子の種類:10月・栗きんとん
秋本番になってきた10月の和菓子は「栗きんとん」です。
おせちに入っている黄色い「栗きんとん」とは別物です。
栗を蒸し滑らかになるまでつぶし、まんまるとした栗のような形へ仕上げます。
シンプルな作りですが、栗の美味しさをギュッとつめこみ、栗好きにはたまらない和菓子です。
和菓子の種類:11月・亥の子餅
季語にもなっている11月の和菓子は「亥の子餅」です。
古代中国で無病息災を願い【亥の月亥の日亥の刻】に、食べられていたそうです。
作り方、見た目は様々で、餅や饅頭に焼印がついていたり、豆でイノシシ柄を再現していたりします。
また、日本では、平安時代に書かれた源氏物語でも登場しているのだとか。
和菓子の種類:12月・柚餅子
ゆずが恋しくなってくる12月の和菓子は「ゆべし」です。
一般的にはもち米へ砂糖とゆずの皮や汁を加え、蒸したお菓子です。
地域により、様々で、ゆずを使っていないものもあるとか…。
源氏や平氏が争った時代には今のゆべしとは違う食べ物でした。
なんと、ゆずの中身をくりぬき、米や味噌など詰め乾燥させた保存食だったそうです。
沢山の種類があるから、毎月食べないともったいないわ。
関東出身だから、水無月は初めて聞いた!
そうなのです!上記では月ごとに1種類ずつを一覧にしました。
もちろん、上記一覧以外にも和菓子の種類は沢山あります。
同じ名前でも店ごとや年ごとに見た目が変わるものもあるでしょう。
イベントだけでなく、春夏秋冬・月ごと・週ごとでも沢山の種類があります。
和菓子は日本伝統のお菓子です。みなさんもぜひご賞味ください。
まとめ
- 和菓子の種類は多数あり、季節ごとに変わる
- 「その季節だけ作られる和菓子」と「季節を表現している和菓子」がある
- 和菓子の水分量が10%以下…干し菓子
- 和菓子の水分量が10~30%…半生菓子
- 和菓子の水分量が30%以上…生菓子
- その月にしか出ない種類の和菓子がある
和菓子は水分量で呼び名が変わるなんて知りませんでした。
いつも食べない季節に和菓子屋さんを覗いてみたら、新しい発見があるかもですね。
皆さんもぜひ、季節ごとの和菓子を楽しんでください。
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