育休で男性が使える助成金があるの??
申請方法や使える条件がわかりにくい…。
世の中では仕事と生活のバランスがしっかりとれるような取り組みがすすんでいると思いますが、最近はニュースでも少子化対策のひとつとして「産後パパ育休」が取りあげられていますね。
これは育休が男性でもしっかり取れることが当たり前の世の中をめざそう、というようなすばらしい取り組みだと私も思います。
そのうえ、育休で男性には助成金が最大で102万円も国から支援が出る「両立支援助成金」という制度があります!
ただ、手順を間違えるとせっかくの助成金をあなたが受け取れなくなってしまいますので申請には注意が必要です。
この記事では、あなたが両立支援助成金のしくみをしっかり理解できるようにわかりやすく説明していきますので安心してください!
育休で男性に助成金が最大102万円も国から支援される!
結論からいいますと両立支援助成金の「出生時両立支援コース」という制度を使えば、育休を男性がとった場合助成金が最大102万円も支援されます!
両立支援助成金は男性、女性問わず会社の従業員が育休や産休などで休暇をとる場合に、会社は国から助成金をもらえるという制度です。
あなたが中小企業の事業主であれば受給対象者で、場合によっては個人事業主も受給の対象になります。
ここで注意していただきたいのは、この助成金は社員に対してではなく会社の事業主のほうに出るので、従業員の方が受けられる制度ではないということです。
育休で男性の従業員のかたが使える制度は「産後パパ育休」というもので、こちらから給付金の手当が受けられますので従業員のかたもご安心ください。
育休で男性が使える助成金2023年の状況
- 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
- 育児休業等支援コース
- 介護離職防止コース
- 育休中等業務代替支援コース
まず、それぞれのコースで助成金がいくらもらえるのか以下にまとめてみました。
- 第1種で最大42万円、第2種で最大60万円
- 最大で120万円
- 最大で95万円
- 最大で125万円(2023年時点)
それではそれぞれコースの概要から申請するための要件までくわしく案内していきますので順番に見ていきましょう!
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
出生時両立支援コースは中小企業の事業主が対象で、第1種を受給後に第2種を受給することができます。
第1種は男性の従業員にお子さんが生まれて育休を連続で5日間以上取ったとき、その会社の事業主に20万円の助成金が出るというものです。
また代替要員加算というしくみがあり、従業員が育児休業中で人手が足りなくなったところに代わりの従業員を入れるとさらに20万円追加で助成金が出ます。
助成金が加算されるしくみとしてはもう一つあり、会社の育児休暇の取り組みを厚生労働省のサイトに公表すると2万円追加でもらうことができます。
第2種について、第1種を受給した翌年に別の男性従業員が育休を5日間とり、前年よりも育休取得率が30%上がった場合、さらに会社に60万円の助成金が入ります。
2023年度は会社単位で1回のみ申請可能で、出生時両立支援コースと育児休業等支援コースを併用して支援を受けることはできないので注意が必要です。
男性が育休にしっかり取り組めるような環境を会社が作ってあげることで、国からもどんどんサポートしてもらうことができますね!
育児休業等支援コース
育児休業等支援コースは、従業員に育児休業を最低3ヶ月与えてその後復帰すれば60万円、追加加算で最大120万円助成金をもらえるというコースです。
このコースでは有期契約や契約社員のような正社員ではない従業員のかたも、雇用保険に加入していれば助成金が出る対象になります!
正社員と有期契約の従業員がそれぞれ1人ずつのみ対象で、たとえば女性の従業員が毎年5人ほど育休を取っているような会社の場合でも、それぞれ1人ずつ分の助成金が支給されるというしくみです。
有期契約の従業員の場合は10万円が加算され1年あたり70万円もらえるので、契約社員やパート勤務で育休を取る予定のかたがいる場合はぜひ活用しましょう!
助成金の要件では育休は最低3ヶ月とされていますが、女性の従業員ですと実際のところ1年は育休をとる場合があると思います。
育児休業等支援コースでは、そのときに代替要員としてアルバイトやパート、派遣社員を雇用するとさらに50万円の助成金が出ます。
代替要員の雇用がむずかしい場合は、在籍している従業員に育休をとっている従業員の業務をカバーしてもらうために手当を支給すると、10万円が加算されます。
介護離職防止コース
仕事とプライベートの両立において介護もこれから大きな課題になると思いますが、介護の需要はこれからどんどん高まってきますよね。
介護離職防止コースでは従業員が親や子どもの介護が必要になった場合、5日以上休業を与えてその従業員が復帰すれば60万円の助成金をもらうことができます。
高齢者の家族が事故で足を骨折してしばらく介護が必要になった場合や、介護で人手が何らかの事情で足りなくなったときに活用したいコースです!
育児休業等支援コースと同じように、従業員が休んでいるあいだ代替要員としてアルバイトやパート、派遣社員を雇用するとさらに20万円の助成金が出ます。
また、社内で介護休業が取れる制度があるということを個別で従業員に書類で案内し、すべての従業員にその制度の内容や取得した場合の待遇を研修で説明すると、15万円の助成金が加算されます。
育休中等業務代替支援コース
育休中の従業員の業務を他の従業員でカバーする場合に助成金が出るしくみは両立支援助成金の中にもともとあった制度ですが、こちらは別のコースで新設されたものです!
代替要員を雇用する期間によって金額が分かれていて、代替要員を7日以上雇用する場合は9万円、6ヶ月以上雇用する場合は67万5000円の助成金が出ます。
育休中の従業員が抜けている分の業務をカバーするとき、派遣社員を雇う場合でもコースの対象になります!
また、このコースでも新規雇用なしで従業員に業務を代行してもらい手当を払うと10万円助成金が加算されます。
それにくわえて、月に1回まで申請可能で12ヶ月分まで助成金が出るので、最大120万円までもらえます。
このコースでは育休のため時短勤務をしている従業員の業務を分担して、代わりに負担する従業員に対して手当を支給することでも助成金が出ます。
1ヶ月につき従業員に支払った手当の4分の3で最大3万円までもらうことができ、お子さんが3歳になるまで受給することができます。
育休で男性が使える助成金の会社も得られるメリット
育休で男性が使える両立支援助成金のような制度を会社が利用すると、助成金を受けとること以外にもメリットがあります!
男性も女性も育休がしっかり取れて子どもの養育に専念できるということは、職場環境が整い従業員の満足度が上がることにつながります。
結婚して子どもができた男性従業員に対して、会社は助成金から出産祝い金として従業員に渡してあげると、従業員もその奥さんもきっと喜ぶはずです!
私がもし経営者で、会社で日ごろからがんばって働いてくれている社員に子どもが生まれるとしたら本当にうれしい気持ちになると思いますし、お祝いしてあげたいですよね。
従業員の満足度が上がれば離職率が下がることにもつながりますし、あなたの会社を求人に載せるときに福利厚生がしっかり整っていることをアピールできます。
また、会社は育休中の従業員には基本的に給料を支払う義務はありません。
育児休業中の分のお金は育児休業の条件を満たしていれば、その従業員は育児休業給付金をもらえるからです。
雇用保険に入っている期間によっては会社側も従業員側も社会保険の負担が免除になるため、会社が従業員に育休を積極的に取らせるメリットとして大きいですよね。
育休で男性が使える助成金を申請するためには
育休を男性が取るときに使える助成金は出生時両立支援コースですが、あなたの会社がこの制度を利用するにはどのような条件を満たせばよいでしょうか。
まず、助成金を受けとるには対象となる従業員が育休を開始する前日までに要件を満たす必要があります。
助成金の申請は一般向けの給付金の申請のように簡単ではないので、注意して要件を確認したり書類を準備していきましょう!
出生児両立支援コースの要件
出生時両立支援コースの第1種で定められている助成金を受けるための要件は以下のとおりです。
- 男性従業員が育休を開始するまでに育休制度を就業規則等に規定すること
- 雇用環境整備のための措置を複数おこなっていること
- 育休をとった従業員の業務を代替する労働者の業務見直しに係る規定を策定し、業務体制の整備をしていること
- 男性従業員が子の出生後8週間以内に連続5日以上の育休をとること
- 次世代法に基づいて労働局へ一般事業主行動計画を届け出ること
- 育休を申請する従業員が育休開始日から申請日まで雇用保険被保険者であること
雇用環境整備のための措置とは、育児・介護休業法にもとづいて会社が従業員に対して育休や産後パパ育休に関する研修をおこなったり相談窓口を作ったりするような取り組みのことをさします。
またそのほかにも、従業員がどのように育休に取り組んでいるかという事例や、会社が取り組んでいる育休に関する制度や方針などを従業員に周知することも雇用環境整備の措置としてあげられます。
申請期限
第1種の助成金の申請期限は、育休を取得した従業員が育休を終了した翌日から2ヶ月以内です。
たとえば6月1日から育休を取得して7月1日に終了した場合、7月2日から2ヶ月後の8月1日までが期限となります。
申請に必要な書類
男性従業員が育休を取得して、出生児両立支援コースの第1種を申請する際に必要な書類を確認して準備しましょう。
- 申請書
- 支給要件確認申立書
- 対象の男性従業員の育児休業申出書
- 対象の男性従業員の出勤簿
- 対象の男性従業員の賃金台帳
- 対象の男性従業員の雇用契約書
- 母子手帳
準備した書類を提出する場所は、申請事業主の本社所在地にある労働局雇用環境・均等部(室)というところです。
まとめ
- 育休で男性に助成金が最大102万円も国から支援される!
- 育休で男性が助成金を使う時に利用できるものは「出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」
- 育休で男性が使える両立支援助成金のような制度を会社が利用し、職場環境を整えることで福利厚生のアピールにつながる
- 助成金を受けとるには対象となる従業員が育休を開始する前日までに要件を満たす必要がある
育児休暇をしっかり取ってもらって、安心して働ける会社にするために助成金を活用して環境を整えることが大切です!
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