毎日の歯磨きでは落とし切れず蓄積してしまった汚れが気になっているあなた。
私も同じです。汚くなってしまった歯を見ることが心底嫌になった時期もあります。
黄ばんだ歯を白くしたいと思い、ホワイトニングしようかと検討されることも多いのではないでしょうか?
とはいえ、専用の薬剤を使う施術ですから、「しないほうがいい?」と悩まれることもあるでしょう。
ズバリ、ホワイトニングをしないほうがいいかは、用法用量によります!
この記事では、ホワイトニングのしくみや注意点についてまとめています。
また、ホワイトニングができないケースや、メリット・デメリットも解説していますよ!
「ホワイトニングってしないほうがいいのかな?」とお悩みのあなた。ぜひご一読ください!
ホワイトニングをしないほうがいいかは用法用量次第!
ホワイトニングは歯にとって安全なものなのか、と疑問に思っているあなた。
この疑問が解消されなければ、「しないほうがいい?」と、なかなか踏み切れませんよね。
もちろん、歯医者で行われるホワイトニングは日本で承認を得た材料と方法で行うリスクの低いものになっています。
使用する薬剤は過酸化水素、もしくは過酸化尿素です。
これらは漂白剤に使用されているため、「肌に触れると危険だし、しないほうがいいのでは?」と誤解されることがあります。
しかし、実際にはオキシドールなどの消毒液として使用されるように、肌に直接塗って使用することも可能です。
つまり、用法用量を間違えれば毒にもなり、用法用量を守って使用すると薬にもなるということです。
そのため、このホワイトニングに過酸化水素を使用することは、歯科医師がいる歯医者でのみ使用することが許されています。
歯科医師の判断で使用すれば、決して危険な薬剤や施術ではありません。
したがって、用法用量さえ守れば、しないほうがいいなんてことはないのです!
ホワイトニングとは
そもそもホワイトニングとは、どのようにして歯を白くする方法なのでしょうか?
市販品や歯医者以外でのホワイトニングは、酸や研磨剤の働きによって歯についた汚れを落とすことで白くします。
一方、歯医者のホワイトニングでは先程も説明した過酸化水素(尿素)を使用します。
過酸化水素は歯に浸透することでエナメル質に吸着した着色汚れを透明化する働きを持っています。
さらに、この成分は付着した汚れだけでなく、歯の色素も分解して白くする明確な漂白効果があるため、歯を白くすることができます。
また、浸透したホワイトニング剤は歯の表面の形状を角状から球状に変えると言われています。
これをマスキング効果と言い、透明なエナメル質をすりガラスのように光を乱反射させることで歯を白く見せることができます。
ホワイトニングはしないほうがいい以前に注意も必要
ホワイトニングの安全性や、「しないほうがいい?」という疑問の答えは「用法用量による」とお伝えしました。
しかしもちろん、ホワイトニングの実施にあたっては注意が必要なケースもいくつかあります。
歯にまつわる持病があるケースや、ホワイトニングの前にきちんとメンテナンスできていないケースなどが該当します。
- エナメル質形成不全症(ホワイトスポット)
- テトラサイクリン歯
- 無髄歯や失活歯による変色歯
- 治療歯
- 光線アレルギー
- 嘔吐反射や呼吸器疾患
- フッ素コーティング歯
- 着色成分や歯垢が多い
ホワイトニングをしないほうがいいか迷っているあなた。
上記ケースに該当していませんか?該当していると、先程もお伝えしたとおり注意が必要です。以下で解説していきます。
エナメル質形成不全症(ホワイトスポット)
歯に白い斑点ができることをホワイトスポットといいます。
ホワイトスポットにはいくつかの原因があるといわれています。
歯のエナメル質からリンやカルシウムが溶け出す「脱灰」も原因です。
また、歯の1番外側の組織であるエナメル質が上手にできない「エナメル質形成不全症」という病気なども原因となります。
ホワイトスポットがある場合、ホワイトニングするとホワイトスポット周辺の歯質が白くなります。
それ故、ホワイトスポットが目立たなくなる場合もあります。
しかし、逆にホワイトスポットの部分のみが不自然な白さに見えてしまうこともあります。
ホワイトスポットがある場合は、ホワイトスポットの治療の前にホワイトニングすることが勧められています。
ホワイトニングをしてから治療することで、歯の色を均一にすることができます。
テトラサイクリン歯
テトラサイクリン歯とは、テトラサイクリン系抗生物質により変色した歯のことをいいます。
テトラサイクリン歯は抗生物質の成分が象牙質に沈着し、歯が褐色から灰色に変色します。
重度になると、変色が縞模様に現れます。見た目にかなり影響しますね。
テトラサイクリン歯の場合、ホワイトニングで全く効果が得られないわけではありません。
ただし、ホワイトニングによって白味は強くなりますが、茶色味や灰色味が全くなくなることはありません。
縞模様も薄くなる可能性はありますが、完全に消すのは困難となります。
したがって、一般的なホワイトニングと同様の効果は期待できません。
しかしながら、それを承知のうえで「今より白くしたい」「変色を薄くしたい」という願望があれば、試してみる価値はあると思われます。
無髄歯や失活歯による変色歯
歯の1番内側には歯髄という神経や血液が流れる血管があります。
この歯髄を、虫歯などが原因で除去した歯を「無髄歯」といいます。
この無髄歯を含め、神経が死んでしまった歯全般を「死活歯」といいます。
通常、神経を取った無髄歯は被せ物になることが多いです。
ただし、前歯の場合などは歯冠を残したまま抜髄(神経を取る処置)をすることもあります。
しかし、歯は神経を失うと、文字通り「失活」します。
つまり歯に血液が循環しなくなり、歯髄が収まっていた根幹に残った血液やコラーゲンが変色することで象牙質が濃くなり、色が黒っぽくなります。
この失活歯の変色は通常のホワイトニングをしても白くはなりません。
失活による変色歯を白くする場合は、ウォーキングブリーチという歯の内側から行うホワイトニング、または被せ物が必要となります。
治療歯
ホワイトニングでは、詰め物や被せ物まで白くすることはできません。
また、樹脂を使った白い詰め物もホワイトニングをしても白くならないため、かえって色が目立ってしまいます。
そのため、セラミック歯を入れる場合、歯を白くしたいのであれば先にホワイトニングをして、白くなった歯に合わせてセラミック歯を作ります。
樹脂による修正箇所がある場合は、ホワイトニングを行なった後にダイレクトボンディング(審美的な樹脂治療)で詰め物をやり直すことで、色味を合わせることも可能です。
光線アレルギー
光線アレルギーの場合、歯医者でのホワイトニングは避けた方が良いとされています。
歯医者では歯を早く白くするために、薬剤を塗布した歯にブルーライトを照射します。
このブルーライトは光線アレルギーの方に影響が出る紫外線とは異なりますが、万が一のことを考えると辞めておいた方が良いと思われます。
ただし、家でのホワイトニングであれば、光を使わないので施術が可能です。
嘔吐反射や呼吸器疾患
嘔吐反射や呼吸器疾患がある場合、ホワイトニングによってその症状が誘発される場合があります。
嘔吐反射がある場合はマウスピースが難しい場合もあり、家でのホワイトニングは向いていません。
歯面清掃や開口器(口を開けるための道具)が耐えられるなら、歯医者でのホワイトニングは可能です。
呼吸器疾患のある方は、薬液から出る微量のガスにより、喘息などの発作を引き起こす可能性があります。
ホワイトニングをされる場合は歯科医師に相談のうえ、施術するようにしましょう。
フッ素コーティング歯
フッ素配合の歯磨き粉などを利用していると、虫歯の予防効果が期待できます。
しかしフッ素が塗布されていると、ホワイトニング剤は浸透しにくくなります。
したがって、思っていたよりも歯が白くならないケースもあります。
フッ素コーティングをする場合は、ホワイトニング後がおすすめです。
着色成分や歯垢が多い
歯の表面に着色成分や歯垢が多く付着しているときも、ホワイトニング剤の浸透が邪魔されます。
ホワイトニングの効果を低くしてしまうので、「しないほうがいい?」と悩む前にご注意ください。
ホワイトニングはしないほうがいいよりメリットも有
ホワイトニング実施にあたり、注意べきケースをご紹介しました。
持病やアレルギーなどはどうしようもありませんが、歯垢など、セルフメンテナンスでカバーできる点もありましたね。
注意が必要なケースがあるなら、やっぱりホワイトニングはしないほうがいい?
そう思われるのも納得です。私も注意点について調べてみて、そう考えました。
しかし、だからといって「ホワイトニングはしないほうがいい」と決めるのはもったいないです!
ホワイトニングには、もちろんメリットもたくさんあります。
ここからは、ホワイトニングのメリットについてご紹介していきます!
見た目の印象を大きく変えることができる
黄ばんだ歯は「老けている」、「仕事ができなさそう」、「不潔そう」などといったイメージを与える可能性があります。
人と会う機会が多い営業職の方や重要な面接を控えている方にとって、今後の人生や仕事にも繋がる大きな問題になりかねません。
短期間で歯を白くできるホワイトニングを受ければ、見た目の印象を大きく変えることが可能です。
セラミックと比べて比較的安く治療が可能
歯を白くする方法はいくつかあります。歯をセラミックにする方法もその1つです。
しかし、セラミックだと、1本で十数万円もかかってしまうことがあります。
ホワイトニングにかかる費用が決して安価なわけではありませんが、セラミックと比べると比較的安く治療が可能といえるでしょう。
短期間で歯を白くすることができる
ホワイトニング最大のメリットは、短期間で歯を白くすることができる点です。
歯医者で行う場合は、通常3~6回の施術が必要です。
しかし、1回の施術で変化を実感できる場合も多いようです。
また、マウスピースに薬剤を入れて装着するホームホワイトニングも、2~3週間で歯を白くすることが可能です。
虫歯を予防できる
ホワイトニングはいくつかの理由で、虫歯の予防につながるといわれています。
まず、ホワイトニング前にはホワイトニング剤が十分に効果を発揮するための徹底的なクリーニングが必須です。
また、ホワイトニング後は酸に対する抵抗力の強いフッ素の取り込みが多くなる効果もあります。
そのうえ、フッ素を使用しなくてもカルシウムの再沈着が起こることもわかっています。
ホワイトニング後24時間以内は歯の内部のカルシウムが一時的に少なくなります。
しかし、その後1週間程度でホワイトニング前よりも歯の表面のカルシウム密度が高まるともいわれています。
ちなみに、この現象は歯医者での施術でのみ見られるようです。
ホワイトニングしないほうがいいと納得のデメリットも
ホワイトニングには、メリットがたくさんあるとお伝えしました。
「ホワイトニングはしないほうがいいの?」と悩んでいるあなたですから、メリットについては十分ご承知ですよね。
しかしそれでも悩む理由に、やはりデメリットが関係していると思います。
冒頭でもお伝えしましたが、ホワイトニングは薬剤を使用します。
残念ながら、歯や歯茎になんの影響もないとはいいきれません。
「やっぱりしないほうがいい?」に答えを出すため、ここではデメリットもご紹介いたします。
歯が過敏になる
ホワイトニング処置の後、冷たい物や熱い物を食べた際に歯が敏感になってしまうことがあります。
なかには、ホワイトニング翌日に、強く滲みる感覚で目が覚めるというケースも…。
もちろん、滲みる程度には個人差があります。適切なケアと経過観察で改善されることがほとんどです。
滲み止め効果のある歯磨き粉を使用したり、滲みている間は処方された痛み止めを使用したりすることで症状が治ることも多いです。
また、虫歯がある状態でホワイトニングすることもデメリットはあります。
ホワイトニング剤が虫歯で溶けた部分を刺激し、強い痛みが出現することもあるからです。
ホワイトニング前には虫歯の有無の確認や治療が必要です。
歯茎への刺激
ホワイトニング剤が歯茎に触れることで、一時的な腫れや炎症を引き起こすことがあります。
そのような場合には、施術前に歯茎を守る処置やアフターケアで軽減することは可能です。
また、歯周病患者がホワイトニングを行う場合もデメリットに注意しましょう。
歯茎がダメージを受け、腫れや痛みの症状が出やすくなります。
ホワイトニングをしたいなら、予めクリーニングで歯石や汚れを取り、菌の数を減らしましょう。
歯茎が落ち着いた状態で施術する必要があります。
誤った使用方法によるダメージ
市販のホワイトニング製品や適切でない方法でホワイトニング剤を使用すると、歯や歯茎へのダメージが増えるリスクがあります。
市販のホワイトニング剤は、歯医者で使用するホワイトニング剤の過酸化水素を含みません。
そのため、歯医者のホワイトニングのような漂白効果を得ることは難しいです。
また、分量を多く使ったり過剰な使い方をしても、一定の白さから効果を得ることができないばかりか、歯や歯茎を傷める可能性もあります。
ホワイトニングは市販でも歯医者で処方された物でも、用法用量を守ることが重要となります。
効果に限りがある
ホワイトニングの効果は個人差があり、持続期間も様々です。
一般的には、歯医者で行うオフィスホワイトニングで3〜6ヶ月といわれています。
また、歯科医師監修のもと、自宅で行うホームホワイトニングで6〜12ヶ月程の効果です。
ただし、コーヒーや紅茶、ワインやカレーなどの着色しやすい食べ物や飲み物を多く摂取すると変わってきます。
食後に歯磨きをしないことが続けば、長期のホワイトニング効果を期待することはできなくなります。
自由診療のため費用がかかる
ホワイトニングは自由診療のため健康保険の対象外になります。そのため、費用が高額です。
何度も繰り返すと経済的に厳しい状況になってしまう可能性が高いです。
ホワイトニングしないほうがいいより避けるべきとき有
ホワイトニングのメリット、デメリットはおわかりいただけたかと思います。
「ホワイトニングってしないほうがいい?」とお悩みのあなたは、様々な情報を収集・精査して結論を出すことがおすすめです。
しかしながら、「しないほうがいい?」と悩む前に、ホワイトニングを完全に避けるべきケースが2つあります。
「しないほうがいい?」とお悩みなら、該当していないかチェックしてみましょう!
無カタラーゼ症のケース
無カタラーゼ症の場合は、ホワイトニングは絶対禁忌です。
絶対禁忌とは、「その医療行為によって患者さんが死、もしくは不可逆的な障害を招くもの」が該当します。
歯医者のホワイトニングで歯を白くする成分として使用する過酸化水素は、健康な成人には害の少ない薬剤です。
多少飲んでしまっても、体に影響が出ることはありません。
しかし、無カタラーゼ症は、過酸化水素を分解するための酵素である「カタラーゼ」が無い状態です。
そのため、無カタラーゼ症の方がホワイトニング剤を使用すると、口腔内が腫れたり、口腔壊死を起こしたりする危険性があります。
無カタラーゼ症かどうかは、少量のオキシドールを傷口に塗ればわかります。
オキシドールを傷口に塗って白い泡が立たないなら、無カタラーゼ症の疑いがあります。
とはいえ、専門医の診断が必要です。心当たりがある場合、専門科を受診しましょう。
妊娠中や授乳中のケース
妊娠中や授乳中の場合は、ホワイトニングが相対的禁忌とされています。
相対的禁忌とは、「通常、医療行為では行わないこと」と位置づけられたものです。
ホワイトニング剤が、母体や授乳を通じて胎児や乳児に悪い影響を与える可能性があるためです。
ホワイトニング剤によって、胎児や乳児に影響が出たという明確な事例や文献があるわけではありません。
しかし、可能性があるため避けるべきとされています。
また、妊娠中はホルモンバランスが乱れ、口腔内の環境が悪くなりやすい状態です。
産後も乳児がいると妊娠中に患った虫歯や歯周病の治療も難しいです。
したがって、治療ができていない場合も多くあります。
そのため、ホワイトニングは出産後・授乳期が終わってから検討することを勧められています。
まとめ
- ホワイトニングをしないほうがいいかは用法用量による
- ホワイトニングはしないほうがいい以前に注意の必要なケースもある
- ホワイトニングには、メリットとデメリットの両方ある
- ホワイトニングはしないほうがいいというより避けるべきケースもある
ホワイトニングについて説明しましたが、一概に「しないほうがいい」とは言い切れません。
ただ、長期間の効果を得ることが難しいため、女優さんのように「常に白い歯」というのは難しいと考えられます。
面接や結婚式など、大事な行事の前に、印象を良くする目的で行うことが良いかもしれません。
また、ホワイトニング前には歯科を受信し、虫歯や歯周病などのトラブルがないか調べることも重要です。
加えて、ホワイトニング効果を持続するためにも、継続的に正しく、しっかりメンテナンスする必要があると思われます。
ホワイトニングにかかる費用は決して安くないため、始める前には情報収集をしっかり行いましょう。
メリットとデメリットを十分に理解し、納得したうえで、ホワイトニングするかしないほうがいいか決められると良いですね。
コメント