腰を痛めた経験があるあなた。かくいう私も看護師をしているので、常に腰痛を抱えています。
腰が痛い時は動かず休むことが1番ですが、日常生活で全く動かないのは難しいですよね。
腰痛ベルトは腰周辺の筋肉などを動かさず、強制的に固定された状態にする役割があります。
腰痛ベルトを巻くだけで手軽に痛みが和らぎますし、痛みへの不安も解消してくれますよね。
しかし、腰痛ベルトが正しい巻き方でなかったり、回復後も長期間着用してしまったりすると、逆に腰を痛めてしまう原因になることも…。
腰痛ベルトには、効果を最大限引き出す正しい巻き方をするために、3つのポイントがあるのです。
ポイントさえ把握すれば、あなたも簡単に正しい巻き方ができますよ♪
さらに今回は、腰痛ベルトの効果や選び方、注意点なども解説していきます。
腰痛ベルトの正しい巻き方にはポイントが3つある!
冒頭でお伝えしたように、腰痛ベルトには正しい巻き方をするためのポイントが3つあります!
腰痛ベルトは、ただ腰に巻けばいいと思っているあなた。
巻き方が正しくないと、腰痛に効かないばかりか悪化してしまうこともあるのです。
しかし、ご安心ください。腰痛ベルトの正しい巻き方はとても簡単。
以下の3ポイントをおさえるだけで、あなたもすぐ実践できます!
- 腰痛ベルトの上下を確認する
- 背中側からおへその下にかけて巻く
- マジックテープを指3本入るぐらいの強度でとめる
それでは以下で、巻き方のポイントを1つずつ解説していきます!
腰痛ベルトの正しい巻き方
腰痛ベルトには上下が分かるようにタグが付いていることが多いです。
腰に巻く前に、必ず上下を確認して着用するようにしましょう。
タグが付いていない場合は、腰にあたる金具部分が「ハ」の字になるようにして身に付けます。
しっかり腰を固定できるように、背中からお腹にかけて下っていくように少し斜めに固定しましょう。
さらに固定力を増すために、腰骨の下をコルセット下【3分の1】があたるように巻いていきます。
このとき、サポーター本体の側面にある伸縮部が十分伸びるよう、本体両端部を引っ張りながら、体の正面でファスナーをとめます。
装着位置は装着図のへそ位置を基準にしてください。
腰痛ベルトは、キツすぎず、緩すぎない強度でとめることもポイントです。
基準としては、体と腰痛ベルトの間に指が3本入る程度です。
腰痛ベルトを正しく装着する位置
腰痛ベルトを装着する位置の目安は、コルセットの上部分がおへそ、下部分が骨盤の上にくることです。
骨盤の前にある上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)という部分が、腰痛ベルトの中央に来るように装着すると正しく腰を固定できます。
あまり上の位置に装着してしまうと、胃を圧迫してしまいます。
腰痛ベルトは正しい位置で装着しないと、骨盤や腰を固定して安定させる効果を得られないことがあるため、装着位置がとても重要となります。
腰痛ベルトを正しい巻き方で得られる効果とは
腰痛ベルトの正しい巻き方に重要な3ポイントはおわかりいただけたかと思います。
巻き方のほかに、巻く位置も大切ですから、ぜひ意識されてくださいね!
腰痛ベルトは正しい巻き方をすることで、4つの効果を得られます。
効果を1つずつご紹介していきますので、ぜひチェックしてください。
腹圧がかかる
腹圧とは「お腹の圧力」のことで、人体に備わっている「自然のコルセット」のようなものです。
腹圧が高まることで、腰痛になりにくくなったり、痛みを緩和することができたりします。
例えば、重い荷物を持ち上げる時、意識していないのに自然とお腹に力が入っていると感じることがありますよね。
これはお腹に力を入れることで腹圧が強くなり、腰にかかる負担をカバーしているのです。
逆に腹圧が弱いと、腰にかかる負担が増え、腰痛を招くきっかけになってしまいます。
腰痛ベルトを巻くことで、腹部に適度な圧迫を与えることできます。
さらに、腹圧をかけて腰回りを固定することで、腰への負担が軽減される効果も期待できますよ♪
保温できる
腰痛ベルトには、熱を逃がさない保温効果もあります。
腰が冷えて血行不良に陥ると、組織の修復も遅れます。その結果、痛めた腰の回復が遅れてしまいます。
腰痛ベルトを巻くことで腰が温まり、血行促進も期待できるのです。
ただし、夏は腰痛ベルトの着用で汗をかきやすくなり、皮膚トラブルも起こしやすくなってしまいます。
夏場は、通気性がいいナイロン製の腰痛ベルトがおすすめです。
早期回復が狙える
怪我をした部位を固定することは、早く治す基本中の基本です。
腰を固定することで患部の負担を軽減し、回復を早める効果が期待できます。
腰痛ベルトを腰に巻くのも同じ原理です。腰痛ベルトを巻くことで腰が固定されるので、腰痛からの早期回復が見込めます。
姿勢制御効果がある
腰痛ベルトを巻いて背中側を固定することで、腰の反りすぎを抑えられます。
したがって、腰への負担を軽くする効果も期待できるのです。
腰痛ベルトは巻き方の他に選び方も把握すべし!
腰痛ベルトの効果が分かったところで、それらをさらに高めるためには、正しい選び方を知っておくことも必要不可欠です。
腰痛ベルトの選び方で大切なのは、「サイズ」「使用場面」「症状」「体型」「価格」です。
それぞれどのような点に気をつけて選んでいくべきか、紹介していきます。
腰痛ベルトのサイズで選ぶ
腰痛ベルトと一口にいっても、そのサイズには様々なものがあります。
ズレにくさや安定感が欲しいあなた。縦の幅が広いものを選んでください。
また、ぎっくり腰などで症状が重い場合も、幅広の腰痛ベルトを選ぶことをおすすめします。
症状が軽い場合や骨盤周辺のみ痛む場合は、逆に縦幅の狭いものを選んでください。
幅が広いものより動きやすいので、窮屈感が苦手なあなたにもおすすめです。
ただし、幅の狭い腰痛ベルトは動きやすいというメリットの反面、固定力が落ちます。
したがって、痛みの状態に合わせて適切なサイズを選ぶことが重要です。
腰痛ベルトを使用する場面や使用感で選ぶ
体を動かす仕事をしているあなたは、固定力だけでなく、常に着用することを含めて考えましょう。
常に着けていると、肌がかぶれて痒くなったり、擦れて傷ついたりします。
薄型のものや通気性に優れたものを選ぶと、皮膚トラブルも防止しやすいです。
腰痛の症状に合わせて選ぶ
腰痛が強い場合は固定力が強いもの、弱い場合は固定力が弱いものを選ぶようにしましょう。
例えば、「ぎっくり腰」のように強い急激な痛みが発症する腰痛には「軟性コルセット」がおすすめです。
軟性コルセットとは、支柱が縦方向に入っている固定力が強いコルセットのことです。
縦方向に入った支柱は腰の支えになるので、痛みが強い腰痛に対してもしっかりとカバーしてくれます。
また、腰を反る心配もないので、腰痛が悪化することも防げます。
反対に、弱い痛みが続く「慢性的な腰痛」には骨盤ベルトがおすすめです。
骨盤ベルトとは腰に巻くバンドのようなものなので、腰を優しく保護してくれます。
軟性コルセットのように支柱が入っていないので、動きも制限されません。
また、骨盤ベルトには骨盤を矯正する効果があるので、腰痛の根治治療にも活用されます。
骨盤矯正を目的に骨盤ベルトを使いたい場合は、医師や専門家に相談し、アドバイスをもらうといいでしょう。
体型に合わせて選ぶ
腰痛ベルトは腰回りの大きさごとにサイズ分けされています。
あなたの体型にあったコルセットを選ぶようにしましょう。
【腰回りの大きさを測る方法】
- メジャーを用意します
- 背筋を伸ばして、まっすぐに立ちます
- 鏡を見ながら、上前腸骨棘と呼ばれる腰骨の一番出っ張っているところに巻きます
- この時、メジャーが斜めにならないように鏡を見ながら、メジャーが床に対して水平になるように巻きます
- メジャーがたるんだり、お腹に食い込んだりしないように注意して測定します
価格で選ぶ
予算を決めて、その範囲内で購入できる腰痛ベルトにしましょう。
腰痛ベルト選びは先程まで述べた通り、自分の腰痛症状や体格に合わせたものを選ぶことが重要です。
「高いもの=自分にあったもの」というわけではありません。
あなたの目的に合わせた選び方で腰痛ベルトを購入し、正しい巻き方を実践することが大切です。
腰痛ベルトは正しい巻き方以外に注意点が5つある!
腰痛ベルトの選び方が分かったら、今度は腰痛ベルトを着用する上での注意点を確認していきましょう。
腰痛ベルトは正しい巻き方を実践する以外に、注意点5つを把握しておく必要があります!
正しく選んだ腰痛ベルトで適切な巻き方をしていても、注意点を無視すると効果が半減する場合も…。
それでは腰痛ベルトを着用する意味がありませんよね!?
あなたが後悔する前に、知っておくべき注意点をご紹介しますので、ぜひご確認ください!
1日中つけっぱなしにしない
腰が痛いからといって1日中、腰痛ベルトを巻いていると、逆に腰痛を悪化させてしまう原因になります。
腰痛ベルトを巻くのは腰痛が酷い時や重い荷物を持ち上げる時など、場面を限定するようにしましょう。
なぜなら、腰痛ベルトをずっと着用していることで、筋力が衰えて腰痛を予防ことができなくなってしまうからです。
意識すべき注意点は、「腰痛ベルトは腰痛を根本的に治すものではない」ということです。
腰痛が治まってきたら、腰痛ベルトを外してみたり、適度な運動をしてみたりして、腰まわりの筋肉をつけていくことが重要です。
また、腰痛ベルトの長時間に及ぶ着用は湿疹などの肌トラブルを起こす要因にもなります。
寝る時は外すようにしましょう。そして、腰痛体操やストレッチなどを行いながら、体のケアを行っていきましょう。
強く固定しすぎない
腰痛ベルトを強く固定しすぎて動きが過度に制限されると、身体も不自然な動きになってしまいます。
それによって、首や肩など、腰以外の部位の不調につながることもあります。
腰痛ベルトの巻き具合は深呼吸しても息苦しくない、食後でも苦しくない程度に調整してください。
場合によっては、食事中は外してもかまわないでしょう。
きつく巻きすぎると血行不良となり、痛みも増してしまう可能性があることも注意点の1つです。
緩く固定しすぎない
腰痛ベルトを巻く時に、緩く巻いてしまうと着用した時の効果が十分に得られません。
強く固定しすぎないことと同様に、緩すぎないようにすることも注意点の1つです。
固定ベルト付きの腰痛ベルトは、固定ベルトもきちんと締めるよう装着することが重要です。
また、腰痛ベルトは時間が経つにつれて、位置がずれてしまうことがあります。
そのため、こまめに付け直すようにすることが大切です。
素肌に直接着用しない
腰痛ベルトは、素肌に直接着用しないことも注意点です。
直接着用すると、汗でかぶれてしまったり、摩擦で傷ついてしまったりすることがあります。
基本的に、素肌へ直接巻かず、肌着などの上から巻くようにしてください。
医師や専門家の指示を守る
整形外科の医師や専門家の診断により、腰痛ベルトの着用をすすめられることがあります。
その場合は、腰痛ベルトを自己判断で外さず、必ず医師や専門家の指示を守るようにしてください。
例えば、骨折や腰の手術をした後にも、腰痛ベルトを着用する場合があります。
しっかり患部を治すためにも、患部を安静にさせることが必要不可欠です。
「もう痛くないから、大丈夫だろう」と自己判断で腰痛ベルトを外してしまうと、せっかく治りかけた患部がまた痛んでしまうこともあります。
不要なトラブルを避けるためにも、医師や専門家から腰痛ベルトを巻くよう指示された場合は、しっかりと守るようにしましょう。
まとめ
- 腰痛ベルトの正しい巻き方には3つポイントがある
- 腰痛ベルトの正しい巻き方を実践する位置は、「腰痛ベルトの上部がおへそ、下部が骨盤の上」になるようにする
- 腰痛ベルトは、緩すぎず、締め付けすぎない適度な圧迫感で巻くようにする
- きつく巻きすぎると血流が悪くなり、痛みが増してしまう可能性もあるので注意する
- 腰痛ベルトには様々な効果があると共に、着用方法を間違えてしまうと効果が半減、または逆に腰痛の原因となってしまう
- サイズは症状が重い場合は幅広のものを選び、軽い場合は幅が狭いものの方が動きやすさなどの点でメリットがある
- かぶれ防止のため、基本的には肌に直接巻かず、肌着などの上から巻くようにする
腰痛ベルトは「腰痛を根本的に治すもの」ではなく、腰の動きを補助する役割があると考えて使用する方が良いですね。
また、長期間使用すると新たな腰痛の原因にもなりかねないので、「日常生活に支障が出る」場合にだけ使用するのが理想です。
私も今回調べたことを参考に、自分にあった腰痛ベルトを選び、注意すべき点に気を付けて、正しい巻き方を実践したいと思います。
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